フェルマーの最終定理ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで〜』( サイモン・シン

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで



数学界の超難問「フェルマーの最終定理」が1995年に証明された。
その経緯を、数学発祥から丁寧に解説。


数学は、予備校時代の先生が素晴らしく、
文系から理系に変わろうかと思ったほど楽しかったときがあります。
本書では基本的に難しい数式が出てこないのが特徴。
ときに数式を出すときには、「補遺を参照」という形で本文には
姿を現すことはありません。だから文章を読んでいるだけ。
それでも、数学界でどんな進化があったのか、どんな問題が
あったのかを知ることができます。


個人的におもしろかったのは昔昔、ピタゴラスの時代。
“0”の概念を受け入れられなかったピタゴラス
いまでは当然のように存在するゼロという概念も、
その始めは「そんな存在があると数学がおかしくなる」といった
発想から拒絶されていたとか。
そんなこんなが少しずつ少しずつ浸透して、いまの数学があるのです。


学生時代、微分積分なんかの壁にぶつかるたびに
「こんな計算ができて将来何の役に立つんだ!」と思ったものです。
つい最近も
「数学科で学ぶ人は、その後なにをするんだろう?」と
不思議に思ってもいました。


数学として少しずつ解明されていく問題が、
科学や経済といった数学とは異なる分野に適用されて、
現代社会は成り立っていることが分かりました。
また、私はパズル好きですが、これも数学から応用された
(あるいはその反対もあるのか)ものであることも分かりました。


身近なところに数学は転がっているようです。


今度は「リーマン博士の大予想」を読んでみたいと思っています。